日本語キーボード、いらない

日本語のJISキーボードは要らないと思うんです。
もう何年も、自分で買うコンピュータはUSキーボードのものを使っていますが、なにひとつ不自由を感じません。
憎む理由もありませんが、無くなってしまえばいいのに、とすら思います。

以下に理由を列挙します。
「慣れているから」という考えはなるべく排除して書きたいと思います。

かな入力をしない

15年以上PCのキーボードを使っていますが、かな入力ってほとんどしたことがありません。だから、かな入力だとタッチタイピングができません。
子どもの頃、PCじゃなくてワープロを使っていたときは、確かにかな入力を使ってました。初心者にはこのほうがとっつきやすいのかも知れません。

でも、今の人はワープロ専用機なんて触りません。「文字に全角と半角(正確には、ASCII文字とそれ以外)がある」という不可解な事実を、いつか思い知るはめになります。
そんなわけで、最初からローマ字入力を教わるんだったら、キートップにひらがなのステンシルは必要ないのです。

キーが多すぎる

ドイツ語やフランス語など、アルファベット+発音記号を入力するための機構を実現するためのキーボードと違い、ローマ字入力→かな漢字変換という複雑な仕組みをソフトウェアで実現する日本語では、日本語専用のキーボードになっている利点がほとんどありません。
日本語入力プログラムが発達したおかげで、「カタカナ/ひらがな」をはじめ「変換」「無変換」などのキーも必要性が減ってきていると思います。
「半角/全角」キーをはじめ、日本語入力の操作以外に用のないキーにはご退場頂いた方が、小さいキーボードでもキートップを広く取ることが出来ます。
ショートカットを覚えればいいんです。ピアノのコードより簡単です。

ひらがなが無い方が、鍵面がスッキリしていてカッコいい

これはもう、圧倒的な違いです。
海外のノートPCの新製品の発表などを見て、「カッコいい!」と思っても、お店で実際のものを見ると、日本語キーボードになっているせいでなにかもっさりとした印象をうけます。
道具だから見た目なんてどうでも良い、っていうのも分かりますが、PCも道具だというなら、テレビやクルマやオーディオや楽器や洋服と同じですよ。

全角/半角の話もそうですが、パソコンなんて所詮、アメリカ人のアメリカ人によるアメリカ人のための道具としてデザインされてるんです。中身も外見も。
いかに日本の工業製品が良くっても、アメリカのOSを使っているからには、日本語は「余計にとりつくもの」であり、色んな意味でシンプルさが損なわれるのは必然です。
であれば、せめて見た目だけでもオリジナルに合わせた方がスッキリするのは当然といえるでしょう。

CDプレーヤーとかに「再生」「停止」って大きく日本語で書いてないと困る、という人もいるでしょう。そういう人には逆に、JISキーボードは不親切です。なぜ「記入」とか「決定」と書かずにわざわざ「Enter」と書いてあるのでしょう?せめて「エンター」でもギリギリ通じるはずです。
JISキーボードは、コンピュータを全部日本語化しようなどという大それた考えのもとに生れたものではありません。所詮、英語用のシステムに日本語を入力するための苦肉の策なのです。

日本語キーボードは落ち着かない

特にノートPCで顕著なのですが、日本語キーボードはホームポジションが左にズレ過ぎて落ち着かないと思いませんか?
トラックパッドに親指の付け根があたって誤動作するんです・・・とか言っているあなた、日本語キーボードのせいです。ノートPCを使っていると肩がこるんですけど・・・というあなた!日本語キーボードのせい(少なくとも自分は)です!!なに左に寄っている方がおちつく??じゃあ仕方ない!!!(笑)

キー配列という点ではフランス語キーボードのほうが強烈な配置転換なのですが、このバランスの悪さは「変換」とか「無変換」とかの便利キーがいっぱいあるJISキーボードの弊害です。
中古PCのお店などでUSキーボードのノートPCに触れる機会があったら、一度試してみて下さい。「ああ、これがホームポジションだ」と思うところに手が落ち着きます。

USキーボードはユニバーサルデザイン(?)

外国のPCなんか触る機会がないよ、といえばそうかもしれませんが。万が一あなたがバックパッカーとして海外旅行をするなら、口コミの次に大切な情報源はネットカフェです。
そんなとき煩わしい思いをしたくないなら、Alt+`(USキーボードの一番左上のキー)だけは覚えておいて下さい。(Macなら、command+Space、Linuxなら、Ctrl+SpaceとかCtrl+Shiftですね)
キーボードがJISじゃなくて本当に困ることって、実際この1点のみだと思います。

PCの価格の削減に!

むしろハードウェアを開発する会社さんに言えることかですが、同じ型のPCをアメリカと日本の両方で発売するなら、日本語キーボードモデルを作成するっていうことは、当然ながらコストを高くする原因になります。
同じPCのUSキーポードモデルと日本語キーボードモデルを作れば、キーボードの設計、工場の生産ラインからマニュアル、カタログの挿絵まで、いろんなコストがかかってきます。また、アメリカでは売れているのに、日本では在庫が・・・といった場合でも、パッケージを統一化することで流通させることができるようになります。
国内でも国外(アメリカ)でも同じものを作れば良い、というのであれば、生産コストを抑え、いろいろなリスクを抑えることができるのです。
海外のメーカーで言えば、「日本語キーボードの製品を作ってもたいして売れないなら、日本には販売しなくていいんじゃね?」という話にもなりますし、実際日本での発売が見送られたり遅れたりする原因の一つになっているのではないかと思います。

それから、日本でキーボードを作っているメーカーですね。
日本語キーボードが定着しているおかげで海外の製品に押されないで済んでいる、とかガラパゴスなことを言ってないで、良いものを作ったら、海外にもバンバン売出してほしい、と思います。
小さな会社でも、もとからUSキーボードを作っていれば、マーケットを広げるチャンスが大きくなるのでは、と思うのです。

まさか・・・ガラパゴス化?

ここまで書いてきてふと思ったのですが、日本語キーボードを作る側からしたら、「日本人がJISキーボードしか使えないように仕向けてしまえば、海外の製品から日本のマーケットをを守ることができる」とか考えてたりしないですよね?
だって日本語のキーボードくらい、台湾の工場でいくらでも作れるんですから。

根拠のない話でメーカーを批判するつもりはありません。ただただ、いろんな機器でUSキーボードという選択肢があったらいいのにな、と思う次第です。

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